本好きの下剋上 一巻 レビュー

 

評価5★★★★★

色んな障害がありつつも

本を作る!という目標を1から積み重ねていくストーリー◎

 

※※ネタバレ少な目※※

 

異世界モノにちゃんと触れてことなかったので、

スマホで無双する、最初は分からないが後半覚醒する凄い力を持っていて無双する、とかとにかく俺TUEEEな話ばかりだと偏見を持ってました。

 

本作は、名前だけ知っていた人気作品。

コミックス・アニメ化もしていて、どれを読めば(見れば)いいのかな…と迷った結果、アニメは話を省いた所が結構あるとのことで、原作小説を読んでみることにしました。

実際読んでみると、人気作ってやっぱり面白いんだな…と実感しました。

 

本好きの主人公は、貧しい農村で暮らす幼女へと転生する話。

驚いたのは、主人公が不自由だということ。

 

・動けばすぐに熱を出す病弱な身体で、森で働く一歳違いの姉とは雲泥の差の身体能力。

・大の本好きなのに、識字率が低すぎて文字すら見当たらない貧村で暮らしている。

 

頑張って本を自分で作ろうと奮闘するけど、虚弱体質と貧しい環境が何度も障害になってきます。

必死で本らしいものを作り上げる主人公の努力、病的なまでの本への欲求の描写が繰り返し描かれるけど、現実はそんなに甘くはなく、失敗に終わります。

だからこそ、わずかでも試みが成功すると主人公と同じくらい嬉しくなりました。

 

障害に苦しみながら、それでも少しずつ進む姿は「異世界モノ=転生後は無双する」と思ってた偏見を粉々にされました…w

 

現代知識があるし、その気になればできると思っていたけれど、知識なんて何の役にも立たない。

 

家のお手伝いを任された主人公の独白。

(一応現代での知恵を使って切り抜ける場面は結構あるので、身体をフルに使う家事に対しての呟きではあるのですが)

これも異世界モノに対する偏見を打ち砕かれるようなセリフでした。

 

一巻では主人公を取り巻く環境が若干変わってきて、この先が気になる感じなので続きも読み進めたいと思います。なろうで全部見れるのがありがたい…。

 

※※以下ネタバレ含むキャラ感想※※

 

マイン…めちゃくちゃ本に対する欲求が強すぎる。本が好き、それだけでキャラクターの強いアイデンティティになってるのは丁寧な描写のおかげだろうな。

 

修…麗乃の幼馴染。序盤にしか登場せず、現代のキャラなため、これからも出てくる予定はなさそう。ネームドキャラにする必要あったのと思う。後で調べたら書籍版の書き下ろしで出てきたキャラらしい、納得。

 

トゥーリ…挿絵のトゥーリ可愛すぎる。無邪気で可愛い幼女でもあり、マインが出来ないことをやってくれるありがたいお姉さんでもある。洗礼の儀の後はルッツがその立場になってしまったので、出番がめっきり減ってしまった。頼りになるお姉さんだけど、一歳違いなのでマインに嫉妬する場面とか、リアルな姉妹描写だなあと。

 

ルッツ…マインに協力する理由が安易に、恋心ではないのがこの作品に好感が持てる!(何から目線?)特にラノベって主人公にすぐに恋に落ちる気がするので余計に…。恋とか愛ってキャラを動かす動機としては便利だけど…

でもこれだけ一緒に過ごすことになるとは思わなかった。愛着湧いてきたキャラなのでルッツはこの先の話にもいてほしいなあ…